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2009年10月30日 15:30

当ブログの5000hitsのお祝いに、「化野戯文」さまの杜若さまが「タコ」のイラストを元にお話を書いてくださいました。
チーム薬売りの皆さん大活躍の、思わずタコが食べたくなるお話です。
さあ、「私はらっきょうでは…」を櫻■ボイスで再生しましょう!!





薬売りがタコを狩った日

昔々あるところに、極彩色の着物を纏った薬売りと口の多い修験者と、体中傷だらけの侍と褐色の肌に隙間なく金色の模様を描いた男というなんの共通点もない4人がモノノ怪を倒す当てのない旅を続けておりました。
「ふむ、やはり出費がかさんでますねえ」
ある日宿の一室で、そろばんを片手に薬売りが深いため息をつきました。
「あれだけ食費がかかれば当たり前だと思うが」
と返したのは扇子をせわしなく広げたり閉じたりするのが癖の修験者の柳君です。
「ですよねえ」
もう一度薬売りはため息をつきました。
何せこの一行、4人組のくせにかかる食費は15人前なのです。
もちろん11人前の食事をぺろりと平らげるのは一人しかいません。
「明日からご飯に混ぜるおからの量を増やしましょうかねえ」
三回目のため息交じりに呟いた薬売りの背を、ちょんちょんと子供のように小さな傷痕のある手がつつきました。
「あのさ、俺。もう少しご飯少なくていいよ」
「あんたはもっと食べなくちゃ駄目です!!」
間髪いれずに返されて、佐々木君はしおしおと部屋の隅に戻ってしまいました。
彼は好き嫌いが多くて食も細いので、いつも食事時になると柳君と薬売りさんからもっと食べろもっと食べろとせっつかれているのです。
「えーと、彼の分、おれ食べるけど。まだ食えるから」
「お前は10日くらい絶食しとけ、ボケ!!」
又間髪いれずに今度はすごい形相で返されて、褐色の肌の男はぶつぶつと何事か呟きながら佐々木君と反対側の部屋の隅に戻りました。
もちろんこの男が食費がかさむ原因なのです。
さて、このような財政的困難と肉体的空腹を抱えた一行はとある村で耳寄りな噂を聞きました。
「大たこですか」
「ああ、ここいらの漁場を荒らして困ってるんだ」
「食べられますよね!!」
「ああ、食べられると、思うが」
思いもよらぬ答えに驚く村人にかまわず薬売りと柳君は顔を輝かせて頷き合いました。
「これで当分の食費が助かります」
「ええ~~俺タコ嫌い」
間髪いれずにそう言った佐々木君は
「好き嫌い言うからそんなワカメみたいな髪で背もちっちゃくて女の子みたいでついでに色グロなんだ出された物は全部食え、全部」
とコンプレックスを残さず柳君に列挙されて、ひどいやひどいやとその場で泣き出してしまいました。「たこやきと、からあげと、さしみと、すだこと」
褐色の肌の男の脳内はすでにタコ料理でいっぱいの様子です。
「いました。あそこです」
「おお、足だけで何と言う大きさよ」
「食べ応え有りそうだなあ」
「あんな気持ちの悪いの食べたくないよう」
磯だまりで4人がてんでバラバラな感想を述べ合っているとタコの足が襲いかかってきました。
「な、なんで私ばかり。タコに好かれる記憶はないです」
集中攻撃を受けて焦る薬売りに、遠くから村人の声がかかりました。
「タコは白い物が好きなんだあ。だから猟にはらっきょうを使うだ。あんたはらっきょうみたいに白いからきっと気に入られたずら」
「ぶは!!」
柳君と佐々木君が同時に吹きだし、薬売りのこめかみに青筋が浮かび上がりました。
「私はらっきょうではなあああああい」
ランボー怒りの鉄拳……失礼しました。
薬売り怒りの退魔の剣モノノ怪ではないので抜けませんから、ハンマーのごとくそれを振りまわし薬売りはタコを退治してしまいました。
「中々いけますね」
「うん、美味しいな」
「お腹……痛いよ」
「嫌いだからとマル飲みするからだ。よくかんで食べろ」
「えっと俺食べちゃ駄目なの?」
「貴方何もしなかったから駄目です」
3時間後浜辺にはタコをほおばる薬売りと柳君、お腹を押さえて蹲る佐々木君そして指をくわえてそれを眺める男の姿がありましたとさ

終わり






思わずタコを買いに行きたくなりますね。
杜若さん、素敵なお話をありがとうございました!
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